13年間、警察官やってみた。

 

13年間警察官やってみた。

どうせなら、いろんなことを書いてみようと思ったので、これを書いていく。

不定期に自分の思い出を書く。

警察官としての職歴は、僕の人生の中でやはり大きなものを占める。

大変な思いもしたし、面白い話もある。

(当事者になった僕にとってはたまったものではないのですが)

なので、僕が被害者になった経験をポロッと出していくことにした。

いわば、これは過去の僕が書かなかった日記である。

特に、個人や、どこかの組織などを批判したりする意志は全くない。

僕の書くものなんてどうせ誰も見やしないんだから、ただの思い出を書く。

フィクションと思ってくれて良い。

もしも、将来警察官になりたいとか、あこがれを持っている方がいらっしゃってこれを見て不快にさせたら申し訳ない。

カッコいいだけが警察官ではない、そんなことを書いていく。

クスリと笑ってもらえたら幸いです。




僕は男性からモテる。





逆ナンに遭ったことはないが、10代半ばころから男性からの「ナンパ」には何度か遭っている。

一度、所謂オカマバーに連れて行かれたことがある。

店員さんから言われるに、僕からは

「コイツは押したらイケる…!押さなきゃ…!」

となってしまうオーラがどちゃくそに出ており、それが原因なのだそうだ。(原文ママ)

だから何だ?
と思われたかと思いますが、もう少しだけ話を聞いてほしい。

警察学校を出てすぐのころ、僕は先輩達の輪の中に入ろうと必死だった。

非番の日に遊びに誘ってもらえれば行きますと即答していたし、当時流行っていたモンスターハンターも先輩達と一緒に遊ぶために購入した。

ちなみに愛用武器はハンマーである。

そんな中、僕は先輩たちからウケるため、数多くある同性愛者の方々との遭遇エピソードを語ったのだった。


↓ 参考文献↓

講演は、結果としては大成功を収めた。

名前も憶えてもらえたし、次回の集まりにもすぐ呼んでもらえた。

元来友達の少ない僕は、ここに来て初めて人間関係の充実感を感じながら日々を過ごしていたのだけれども、僕の人生はそう甘くない。

ある非番の朝、交番で交代員を待っていると電話が鳴る。

事故か、事件かいたずらか、そう考えながら電話に出ると聞いたことのないバリトン系の響きの良い男性の声だった。

「西岡君います?」

「私が西岡です。」

「あ、そう。警視の〇〇ですが、交代したら僕のところまで来てね。」

警察学校卒業ホヤホヤの僕は、その警視と話したこともなかった。

というか、なんでこの人俺の名前知ってんの?

というレベル。

それだけ伝えられ、電話は切られた。

上司にその旨を報告すると、

「ヤバ、コワ、交代待たんでええけん早よ帰り。」

とのことだったのでコレはただ事じゃないと感じながら急いで警視のもとへ向かった。

警視に挨拶をすると、別室を取ってあるのでそこで待つように。

と指示され10分ほど待った。

その時会って分かったのだが、その警視は何度か警察署内で見かけたことのある人物であった。

身長は170㎝くらい、ガッチリ型とは言えない中肉、何よりも警察署内で姿を見かけるときには、落とし物を取りに来た人の前だろうがお構いなく、さらに場所も問わず、

「コォ〜〜〜〜ッッ…!!」


鬼気迫る表情と共に特徴的な呼吸法で制服姿にも関わらず空手か何かの型の練習をしているという、正体はわからないがアイツとは関わるまいと密かに変人認定を下していた人物だったのである。

まさかあの変人がこんなにも警察組織で出世できているとは。

本当に世も末である。

やがて警視がノートパソコンを持って部屋までやってきて、談話室はさながら取調室の様相となる。

何?この雰囲気は?

警視は開いたノートパソコンに何か文章を打ち込みながら僕には一瞥もくれずに開口一番、




「困るよ~西岡君、ホモなんだって?」




と、ブチまけた。

現在であれば大問題で大炎上だ。

しかし、当時は多様性とは程遠い時代。

なにせLINEもインスタもXもなかったんだから。

Facebookはあったかな?

こんな表現を24時間勤務を耐え切った疲労困憊の10代若者に無修正で申し渡してくるのである。

大体仮に俺がホモで何でお前が困るんじゃい!

大事なことだが僕にそのケは無い。

あと、警察という組織で出世している人物にはこういった性格の人が多い。

自分の考えは疑う事無く全て正義だと確信している根拠のない自信のある人物。

(話に関係ないが、「ハコヅメ」というマンガ原作のドラマを見たことがあるだろうか、今をときめく永野芽郁さんが主演の作品なのだが、(残念ながら田中圭さんは出演されていない。)それを拝見した時相棒よりも、踊る大捜査線よりも警察のこういうリアルの表現の仕方が本当に上手い作品だと思った。確か作者の方が元女性警察官と聞いた。通りで、と思った。オススメです。話を戻します。)


というかコイツ、俺が言葉を発する前にすでにカタカタ何か打ち込んでやがる。
(変人入場時の文に遡って見て欲しい。)

このままではコイツの思うままに話を仕立て上げられてしまう、紛うことなき冤罪だ!!

とにかく僕は必死に否定した。

人生で一番の熱量だったかもしれない。

それでも僕はやってない!

あの日、先輩たちに覚えてもらいたい一心で僕が語った体験談は、独り歩きして僕を主人公とした話にどこかですり替わり、やがて警視の耳に届いていたのだった。

後に先輩からこの現象は、



ホモの独り歩き




と名付けられた。

こちらも大炎上必至である。

「キミ今上司と2人の交番でしょう?それってどうかな?って思ってね。」

(どうかな?じゃねぇよ・・・)

つまり警視は、24時間勤務を一つ屋根の下僕と2人きりで共にする上司の貞操を心配していたのだ。

当時の上司は定年近く、白髪混じりでメガネでおなかがかなり出ている、良い人だけど恋愛対象にはちょっと見れない人であった。
(いや、そもそも僕にその気はないけれど)

交番を外から眺めてみると丁度そんな人に見覚えがないだろうか、是非思い出してみてほしい。

まさにソレだ。

交番という特殊な生活環境は、どうやらそこで暮らす生物の成長に影響を与え、やがて同じ容姿にしてしまうという説を推したい。

僕はこの現象を


交番ガラパゴス


と呼んでいる。

僕に博士号があれば論文を一つこしらえるところである。

大学に行けなかったのが本当に残念だ。

さて、例え僕が女の子でもきっとこう思うはずだ。

こちらにも選ばせてもらう権利が欲しい。

なにせこちらはまだ花も恥じらう10代なのだから。

とにかく、徹頭徹尾否定を繰り返し、およそ2時間後僕はようやく解放された。

その後、その変人とはあまり話す機会もなかったのだが、一生忘れることはない人物となった。

その理由は、取り調べの数日後、異例の早さで僕だけが複数人勤務の交番に異動が申し渡されたからである。

公務員の異動時期は決まっていて、滅多なことではそれ以外の時期に異動などない。

そんな中で僕だけ異動。

となると、周りは自動的に、

アイツ、何かあったな…

と確信されてしまう。

…あの変人絶対に信じてくれてないよね。




ああ、切り替えよう。

こうなったからには仕方がない。

僕の警察人生はどうやら順風満帆とはいかなかったようだけれども。

新しい上司とうまくやっていけるように頑張ろう!!

こっから取り返すんだ!

そう決意して新しい上司の元に向かった僕は元気に、


「おはようございます!」


と、大きな声で、満面の笑みで挨拶をした。

第一印象は大切だからだ。

異動先の新上司は、

「おはよう」

よりも早く、



「西岡君は彼女いるの?」



と僕にリトマス試験紙を投げつけて来たのであった。


警察人生の
おしまい。





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