3 行政書士の相談業務について
お疲れ様です。
行政書士の西岡です。
今回は、行政書士の相談業務についてお話ししたいと思います。
ある意味、僕の一番自信のある分野となります。
と、言いますのも、僕は前職でも多くの相談を受け付けるお仕事をしておりました。
その仕事は、信じられないくらいの様々な相談が寄せられる職場でありまして、その解決に向けて多くの知識、勉強が必要でした。
そして、職を変えた現在もその経験が生かされている部分が大きく、相談される方が楽になれるよう、前に進むための方法をアドバイスさせていただいています。
ある休日、電話が鳴りましたのでお話を伺うと、借金の返済についてのご相談でした。
結論から申しますと、行政書士には個人の借金についてできることはないといっても過言ではありません。(公的な融資を代理で申請したりすることはできますが)
しかしながら、借金の返済等の関連のお話は、以前の職場で常に取り扱っていた内容でしたし、藁をもつかむ気持ちで電話をしてこられたのでしょうからできる限りのアドバイスをしようと相談をお受けしました。
内容については、
〇 約10~20年前、自動車を購入するため借金をした。
〇 最初の数か月は分割で返済していたが収入が減ったことなどから返済が滞り、借金の
ほとんどを未返済のまま催促を完全に無視していた
〇 その後転居、携帯電話の解約等を行い、催促が来なくなった
〇 相談の数か月前から家に借金の回収業者から手紙が届き、催促をされて驚いている
というものでした。
詳細は省いていますが、このような内容でした。
相談者の方も自身の借金の話ですので、あまり詳しい話をしたがらないこともあり、事実関係の確認に苦労しましたが、解決の方針を固めることには成功しました。
解決の方針とは、借金の時効です。
正直に申しますと、借金はきちんと返済するのが当然のことであり、できることなら事項があろうがなかろうが借りたことが間違いないのであればその分はお返しするのが道理と考えます。
しかし、借金にも時効が法律で決められており、要件を満たしていればそれを適用することができるのです。
と、言いましても、この方に本当に借金の時効が適用されるケースなのかどうかは全く確信がありませんでした。
お電話だけでしかお話していませんし、相談者の方もうろ覚えの部分が多く、確定情報が少なかったのです。
しかし、借金の時効という方針は固めることができても、僕は行政書士ですので、今回のケースについての時効の援用についてお手伝いできることはありませんでした。
行政書士がお手伝いできる場合としては、その借金についての必要な資料が相談者の方の手元にすべて揃っている場合ですね。
その上その時効について裁判等で争う必要があれば、やはり弁護士の方々の出番となります。(司法書士の方々であれば行政書士のもう少し先も対応できます。)
と、借金のお話というのは行政書士の身分としましては、どうしても不完全燃焼の結果となってしまいがちです。
簡単な言葉を使いますと、『専門外』ということになってしまいます。
ただ、僕は前職の経験からこの相談についてある程度の勝機があることに気づけましたのでアドバイスを差し上げたところ、相談できる弁護士、司法書士が無いとのことでしたので法テラスについて説明しました。
法テラスというのは、簡単にいいますと無料で法律の専門家が相談に乗ってくれる相談窓口です。
大体の法律に抵触しそうな困りごとはここで方針を考えてもらえたり、教えてもらえたりします。
(今回であれば弁護士等の紹介をしてもらえたり、収入にもよりますが無料で専門家に相談可能であったりします)
このように、残念ながら僕の立場ではこの相談者の方を直接手助けできませんでしたが、後日相談者の方から連絡があり、「借金問題が解決しそうだ。」とわざわざ感謝の意を伝えてくださいました。
さて、今回は申請等のお話ではなく、相談についてのお話でした。
まとめますと、
〇 借金にも時効がある
〇 法律関係の困り事は法テラスで深いところまで無料で相談できる
というところですね。
そしてなによりお伝えしたいのは、誰かに相談してみると解決の糸口が見つかることがある、ということです。
僕は、先ほど申し上げましたように借金問題の専門家ではありません。
しかし、自ら力にはなれなかったとしても、相談の結果として解決の糸口となることができました。
悩み事について、無理だとあきらめる前に誰かに相談してみてはいかがでしょうか。
コメント
コメントを投稿